ダイナンウミヘビを食う

2022/10/11
 
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今回はダイナンウミヘビという生物を食べる。

 

 

ウミヘビというと爬虫類のウミヘビを想像しがちだが、今回食べる”ダイナンウミヘビ”は爬虫類ではなく魚類のウミヘビなのだ。どういう事かというと、実は通称ウミヘビと呼ばれる生き物は爬虫類と魚類に二分されるのだ。前者にはエラブウミヘビ、後者にはダイナンウミヘビやホタテウミヘビなどが含まれる。

 

 

 

 

爬虫類のウミヘビとの違い


爬虫類のウミヘビとの違いをもう少し詳しく見ていきたい。前述した通り
ダイナンウミヘビは私たちが良く知る爬虫類のウミヘビではない。名前に”海蛇”とつくのにどうして?と思うが、これは生物によくあることで、名前に”カイ”とつくのにヒトデの仲間だったりするややこしい奴もいる。だから名前に”ウミヘビ”と付くからって爬虫類とは限らないのだ。

 

 

こういったややこしい生き物は専門書やネットで検索し科や目を見てやれば、おおよそなんの仲間か知ることができる。

 

 

例えば今回のダイナンウミヘビをネットで検索すると、ウナギ目・ウミヘビ科と出てくる。科には”ウミヘビ”という単語が使われているがウナギ目ということからウナギに近いんだなと、なんとなく知ることができる。

 

 

同じウナギ目に属するグループにウナギ科やアナゴ科の魚類がおり、このことから少なくともウミヘビ科は魚類であることが分かる。ちなみに日本に生息する海蛇の一種であるエラブウミヘビはコブラ科に属する爬虫類である。

 

 

更に、爬虫類のウミヘビと魚類のウミヘビは体の構造も異なっており、爬虫類は呼吸器として鰓を持たず肺を持つのに対して、魚類は呼吸器として鰓を持つことが知られている。他にも魚類のウミヘビは鰭を持つ(爬虫類のウミヘビは持たない)、魚類のウミヘビは鱗を持つ(爬虫類のウミヘビは鱗を持つ)など多くの差異があることから、全く別の生き物だということが外見からも読み取ることができる。

 

 

釣ってみる


変わった魚のように紹介したが、ダイナンウミヘビという魚は自体は珍しい魚ではなく青森県から九州まで広く分布しており、
釣りの外道や定置網などでごく普通に漁獲される。釣り人や漁業関係者からすれば見慣れた顔であり、むしろ厄介者の扱いであることがほとんどだ。

 

 

今回は釣りでダイナンウミヘビを捕獲してみることにした。餌は青イソメ、イカ、さっき釣った小魚でもなんでも良い。時間帯は夜の方が釣れやすいが、別に昼夜問わず釣れるので特に難しいことを考える必要はない。

 

 

 

 

夜の港にイワシをぶっ込んでみたら簡単に釣ることができた。画像を見てわかると思うが、この魚は釣り上げるとかなり暴れる。もたもたしているとハリスやらラインやらに絡まり面倒なことになる。なので釣り上げたらすぐにハリスを切ってしまうのがいいだろう。

 

 

場合によっては釣り上げた時には既に仕掛けと絡まりあってる時があるので、そういった場合には噛みつかれないように注意して仕掛けをほどいていきたい。爬虫類のウミヘビとは違い毒はないので、噛まれても大事には至らないが歯が鋭いのでかなり痛いからだ。

 

 

 

 

食べてみる

 

 

ダイナンウミヘビは甲殻類、多毛類、魚類を食べる肉食性の魚類だ。もし胃袋に魚などが入っているとそれが腐敗し、身に臭いが移ってしまう。なので釣ったダイナンウミヘビは早めに内臓を抜こう。

 

 

また、ダイナンウミヘビは太さこそないが、長さがあるため家庭のまな板で捌こうとするとかなり手こずるので、何等分かにして捌くのがオススメだ。他にもぬめりが強いため熱湯をかけてから捌くのも良い。ただしこのやり方だと皮が剥けてしまうので注意。

 

 

 

 

1本そのまま捌くのは骨が折れるので、4~5等分し尾端付近は切り落とすのがオススメだ。今回の個体はまな板の大きさに合わせて豪快に4等分した。

 

 

 

 

3枚に下ろした後は骨切りをするのだが、腹部には腹骨がないのでこのまま刺身や煮付けにして食べることができる。

 

 

 

 

腹部以外はダイナンウミヘビをはじめ、ウミヘビ科の魚は小骨が多いので骨切りは必須だ。中には骨切りが無意味なウミヘビもいるので骨切りでどうにかなるだけマシに思える。

 

 

骨切りと言えばハモだがこのハモ科の魚たちもダイナンウミヘビと同じウナギ目に属する魚だ。このようにウナギ目は私たちがよく耳にする魚が多く含まれているのだ。

 

 

料理

ダイナンウミヘビの料理法は思いの他幅広く、ウナギやアナゴ料理にそのまま代入して食べることができる。

 

 

蒲焼

 

 

長物といえばやはり王道の蒲焼である。アナゴやウナギと比べ骨がやや硬めだが、身に旨味があることは確かであり、骨の硬さと身を薄さを除けは普通に食べられる魚だ。ただしお米は欲しくならない。

 

 

刺身

 

 

骨が多いこの魚も刺身で食べることができる。方法は簡単で骨のないところをそぎ落とすだけで完成だ。

 

 

アナゴやウナギなどの大手ウナギ目たちも刺身で食されていることから、期待をしていたが旨味が乏しく、生だと身が硬めなウナギ目たちの中でもより硬く印象を受けた。

 

 

臭みがなかったのは評価ポイントだが、刺身はダイナンウミヘビ料理の中ではワースト1位である。

 

 

 

 

押し寿司

 

 

京都の錦市場でハモ寿司を食べた瞬間にこれだ!と思った。居ても立っても居られず神奈川に帰ってから早々にダイナンウミヘビを釣りこの一品を作り上げた。もちろん寿司型もダイナンウミヘビのためにa〇azonで購入したものだ。

 

 

この魚の大きな欠点である小骨を克服した料理で、味付け次第でどうにでもなる感じだ。味も良く面白さはあるものの主張があまりなく、ダイナンウミヘビじゃなくてもいい感が否めなかった。

 

 

唐揚げ

 

 

 

揚げ物にすればなんでも美味しい、確かにそうなのだがダイナンウミヘビは本当に唐揚げが一番美味しい。しかし、ただ揚げるだけではただの唐揚げである。

 

 

僕の友人が発明したダイナンウミヘビの唐揚げはただ揚げるだけではなく、揚げる前に三枚に下ろした物を1,2日陰干しするのだ。

 

 

こうすると旨味が凝縮されるのか知らないが、なぜか美味しくなるのだ。もちろん干さずに揚げて食べたこともあるが、干したほうが断然旨いのは確かである。

 

 


 

 

ダイナンウミヘビはとても厄介な魚であることは間違いが、手間さえかけてやれば美味しく食べることもできる魚だ。もちろん食べることを推奨できる魚ではないが、このブログを読んで見方を変えてくれたら幸いである。

 

 

 



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