水水しい深海魚「ミズウオ」を食べる

2021/06/04
 
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ミズウオといえば浅場でも会える深海魚として知られているが、普通に生活をしてて会える物でもない。

 

 

そんなミズウオだが、静岡県某所で発見したので食べてみた。

 

 

 

 

 

ミズウオとは

 

ミズウオはヒメ目ミズウオ科ミズウオ属に属する海水魚。標準体長1mを越える大型種で、著しく細い体やバショウカジキのような大きな背鰭と長い背鰭基底が特徴である。分布は広く北太平洋、インド洋、大西洋の沖合の表層から水深1830mに生息する。

 

 

ミズウオ科には本種の他にミズウオダマシやキバハダカなどがいるがどれもレア種で、発見されるミズウオ科は本種であることが多い。

 

 

 

 

今回、静岡県で発見したミズウオは港のスロープ付近に沈んでいた物をルアーで引っ掛けた。恐らく接岸したものがそのまま打ち上げられてと思われる。ミズウオは稀に釣りや延縄で漁獲されるが、採集される場合は今回のような打ち上げ個体であることがほとんどである。

 

 

特に静岡県の三保ではミズウオが打ち上ることで有名であり、冬から春にかけてよく採集される。採集される個体には生きている物もおり、死んでいる個体とは比べ物にならない程美しいようだ。

 

 

ミズウオガチャ

 

 

ミズウオはなんでも食べてしまう魚でも有名であり、胃袋の中から様々な魚や軟体動物をはじめビニール袋などが見つかっている。人によっては胃袋の中を醍醐味としてる人もいるくらいだ。

 

 

今回、採集した個体もお腹が膨らんでおり、胃袋に何かしら入っているのは間違いなさそうだ。触り心地からしてフグは確定だろう。

 

 

 

 

獲物の乏しい深海で多くの食料をストックするためなのか胃袋は大きい(容量にはまだまだ余裕がありそう)。また、色が黒い理由はほとんどの生物が発光する能力を持つ深海において、被捕食者が発する光が体外に漏れないようにするためだろうか。

 

 

 

 

ハダカイワシやハダカエソなどの深海魚を期待していたが、胃袋の中からは予想通りフグ(ヨリトフグ)とウナギギンポのような魚がでてきた。ヨリトフグはフグ科にしては珍しく深海まで生息するフグで、ウナギギンポはイソギンポ科の魚類で浅海に生息する。

 

 

フグは体を膨らませて捕食者から身を守るが、こういった魚も捕食できるのは大きな顎を持ったミズウオならではだろう。

 

 

 

 

めちゃくちゃ柔らかい肉質

 

 

ミズウオ(水魚)は名前の通り、筋肉や骨に水分を多く含む。そのため筋肉も骨も柔らかく容易に3枚下ろしにすることができる。

 

 

筋肉は半透明な白色で、鮮度が悪いせいかやや生臭い。水っぽさはあるものの身は弾力性があり崩れにくい。また、筋肉中に小骨が多く散在するがすべて綺麗に取り除くのは難しそうだ。

 

 

 

 

骨も水分を多く含んでいるため透明度が高く、骨の構造まで丸見えだ。上中央の突起は脂鰭という器官で、通常の鰭とは違い鰭条を持たない。脂鰭の役割はまだ不明な点が多くハッキリしてないのが現状だ。脂鰭についての論文はいくつかあるので、興味がある人は調べてみるとよいかもしれない。

 

また、ヒメ目に属する多くの種がこの特徴を持つ他、サケやエソといった私たちに身近な魚類も脂鰭を持つことで知られている。

 

 

期待を裏切らぬ水っぽさ

 

 

内蔵から離れた場所を刺身にしていただいた。見ての通りお皿がビショビショである。筋肉は薄く切っても白く濁っていて、所々に小骨が透けて見える。血合いは鮮やかな色で一般的な魚とあまり変わらない。

 

 

前述したように水っぽさはあるが弾力性があり、思いの外食べ応えのある身質だ。骨が多く口の中が騒がしくなるが、骨も水分が多いので容易に噛み砕くことができる。

 

 

身に味という味はなく、骨と生臭さと水っぽさが混在するシャチブリも驚きの逸品だ。似た食味の魚はシャチブリだが、食べたことない人にわかりやすく例えると「生臭い蒟蒻ゼリー」である。

 

 


 

 

今回、港に沈んでいたミズウオを食べたが正直美味しくなかった。打ち上ってしまった個体は要物の調査や骨格標本として利用するのがよさそうだ。

 

 

市場価値のない魚なので入手方法は自家採集のみになるが、見つけた際には一度は食べていただきたい。

 

 

 
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