電気クラゲことアンドンクラゲを食べる
今回食べたアンドンクラゲという小型のクラゲは知名度は低いが、実は結構身近なクラゲなのだ。
夏場、海水浴をしている時に何者かに刺されたという経験がないだろうか。この不快なイベントを引き起こす犯人がクラゲだということは誰でも知っており、通称「電気クラゲ」と呼ばれている。
しかし、正式名称やフォルムを知っている人は意外と少ない。実はこのように大事に至らなかった場合、十中八九アンドンクラゲというクラゲの仕業なのだ。
アンドンクラゲを捕まえる
名前の由来にもなっている行灯型の傘は透明で、水と同化している。そのため傘を頼りに見つけるのではなく、触手を頼りに探した方が見つけやすい。
見つけたら、アンドンクラゲが進む先に網を構える、そうすれば勝手に網の中へと入ってくれる。慣れれば一度に3,4匹捕獲することも可能だ。
また、アンドンクラゲの触手は脆く、網で掬うと触手が切れてしまうので、完全な状態で捕獲したいのであれば網での捕獲はオススメしない。
アンドンクラゲを食べる
今回捕獲したアンドンクラゲは十数匹。捕獲にかかった時間はわずか数分、魚を捕まえるのに比べるとはるかに労力が少ない。
捕獲したアンドンクラゲはピクピクと動いており、かなり新鮮。中には運よく触手が付いているものもチラホラ。傘に付いている黒い点々は眼点的なもの?よくわからない。また、ある奴は傘の中に小魚を入れていた。人が痛いと感じる程の毒であれば、小魚など瞬殺したに違いない。
もったいないと思ってしまうが、触手は根元からガッツリ落とそう。食べれないと思うし、なにより危険だからだ。
触手をすべて落としたら真水で洗う。こうしてみると本当にゼリーのようで、ジェリーフィッシュという英語はクラゲの特徴を端的に表していると実感できる。
さすがにこのまま生で食べるわけにもいかないので、塩蔵処理(簡単にいうと塩漬けと塩抜きを繰り返す)と呼ばれる作業をしていく。なんとこの作業をすることによってクラゲが中華クラゲのようにコリコリになるというのだ!!すごい!アンドンクラゲコリコリにしたい!
塩蔵処理1日目、早速クラゲの色が白濁しはじめたがまだ大きさは変わらない。あと何日かこれを繰り返してどんどん水分を抜いていく。
塩蔵処理3日目、最初カントリーマームくらいの大きさがあったアンドンクラゲはついに一円玉以下のサイズになってしまった。分かってはいたのだがいざ極小化したものを見ると少し萎えてしまう。しかしこれがクラゲ職人の定めなのかもしれない、大きさなんてどうでもいい、コリコリになっていればそれでいいんだと。
クラゲは市販のアイスに混ぜて食べることにした。なぜ数ある料理の中でアイスなのか?1つはクラゲ料理が思いつかなかったから。もう一つはちょうどなんかの本でクラゲアイスという料理を見たことを思い出したからだ。しかし、今回僕が作った物は本に載ってした物に比べるとだいぶ粗末なものだ。
おおよそ予想がついていると思うが、クラゲ自体は味がしない。もちろんクラゲというのは食感を楽しむものなので、味がなくてもマイナスにはならない。そして肝心の食感だがこれがイマイチなのだ。身が薄いせいかシャキシャキという感じだ。
元々、肉が薄いため仕方ないのかもしれないが、中華クラゲのような物を創造してしまうと期待外れかもしれない。
塩蔵処理がうまくいっていなかったのか、クラゲの肉質のせいなのかコリコリにはならなかった。次はもっと肉厚なクラゲで試そうかと思う。
※アンドンクラゲには毒があります。調理、捕獲の際は細心の注意は払い、自己責任でお願いします。