アメ横で買った謎魚を食べる

2024/05/22
 
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2017年2月6日、築地の帰りに立ち寄ったアメ横の地下食品街にて謎の魚をゲットしました。アメ横といえば多種多様な物品が数多く売られており、中には変わった食材も売られています。

 

 

特に地下食品街は東京都屈指の観光スポットであり、地上の店と一線を画したディープな香りを漂わせています。魚好きの人らはアメ横に行ったらまずはここへ行こう!

 

 

 

 


地下食品街の入口(この先撮影禁止)

 

 

地下食品街自体はそこまで広くはないものの、魚以外にも精肉や香辛料まで幅広く扱っていおり、国内と思えない姿を見せてくれます。日本では馴染みのない食材も多く取り扱っており、日本人向けというより日本に在住している外国人向けといった感じです。

 

 

ちなみに、今まで見た変わった魚はジギョ(ニシン目)、ヒラ、フウセイ(ニベ科)、パンガシウス(ナマズの仲間)など。あと、サバヒー(ミルクフィッシュ)とタウナギはいつも見かけるメンツです。ヒラは国内の産地へ行けば比較的見られるそうですが、関東だとやや珍しい魚といえます。

 

 

こういった珍しい魚があるとつい写真を撮りたくなりますが、残念なことにここは撮影禁止。勝手に写真を撮ると注意される場合があるので、どうしても撮りたい場合は許可を取った方が良いでしょう(魚を買った後にお願いすると良いかもしれません)。あと、床が濡れてるので転ばないように注意するのと、ヒラヒラした服装だと魚汁が付くので動きやすい服装が良いでしょう。

 

 

謎魚の正体


入口のそばに売っていた魚

 

 

それで今回買った魚がこれですよ。ぱっと見は黒っぽくてやや細長いフォルム。値段は破格の200円。冷凍かつ袋に入った状態なので目レベルすら見当がつきませんが、親切にラベルに名前が書いてありました。

 

 

なるほど「キャットフィッシュラウンド」ですか。この場合、キャットフィッシュラウンドという種なのではなく、キャットフィッシュ(ナマズ)のラウンドという意味になります。ラウンドというのは丸の魚ことで内臓も頭も取り除かれていない状態です(頭と内臓を取ったものをドレス、内臓のみを取ったものをセミドレスと呼びます)。

 

 

ラウンドは食べる目的だと面倒なのですが、標本用に魚を確保するならラウンドが嬉しかったりします。今回は食べるのでドレスがよかったかもしれない。

 

 

 

 

そして単にキャットフィッシュと言われても種まで特定することはできません。これはナマズ目の種数が非常に多いことに加え、僕自身、ナマズをはじめとする淡水魚に弱すぎる為です。産地はインドネシア産であることから、日本のナマズとは違う種の可能性が高いでしょう。

 

 

ちなみに製造日が2016/07/10なので現在から半年以上前のものですが、あまりこういうことは気にしないので問題ありません。直感では一年前くらいでも普通に食べられる気がします。

 

 

 

 

さてさて、帰宅するや否や早速流水で解凍してきますが、思いの外、小さいので早く溶けそうです。ご尊顔はこんな感じ。素人の僕でもよく分かるが、日本のナマズとは明らかに違う。

 

 

 

 

横から見るとこんな感じ。日本のナマズ科と同様に背鰭は1基だけど基底がかなり長いことが特徴的です。念のため魚類検索で同定を試みた結果、ヒレナマズ科の魚に同定されました。念のため淡水魚に詳しい友人にも確認したがヒレナマズの仲間でいいみたいです。

 

 

ヒレナマズ科の魚は東南アジアを中心に広く分布するが移入された個体の場合もあり、日本では石垣島に移植されたClarias fuscusが記録されています。養殖魚として優秀であり観賞魚でも流通があります。

 

 

 

 

ちなみに、ネットで軽く調べたところヒレナマズ科の魚は100種を超えるそうです。さらなる同定を試みるも似た種が多すぎて諦めました。付け焼き刃の知識ですがハマギギみたいに頭部の骨板?で同定するっぽいです。この写真から同定できた人がいたらこっそり教えてください。

 

 

 

 

髭は4対8本で上唇の髭が一番長い。歯はよくあるザラザラ系。一応、後から写真で同定できるようにこういう写真も撮っておくことが大切ですね。

 

 

 

 

完全に融けたようなので捌いていきます。どうやって食べるか決めてないけど、とりあえず内臓を取って腹開きに。内臓はグロいから載せられないけど結構きれいな色してましたよ。ちなみに左上の器官なにか分かりますか?

 

 

 

 

実はこれヒレナマズの鰓なんです。鰓の上部に樹状に発達した器官があり、一般的な鰓と比較してもその異質さは一目瞭然です。この部分は補助呼吸器官で一部のヒレナマズ以外にもベタやカムルチーなどが似た形質を獲得しています。ヒレナマズはこの特殊な構造のおかげで短時間でがあるが陸上での生存が可能です。その生態から英語ではウォーキングキャットフィッシュとも呼ばれています。

 

 


一般的な鰓(タマガシラ)

 

 

ヒレナマズを食べる

さて、それでは調理していきますが、袋には加熱用と書いてあったので熱は通しましょう。「walking catfish cooking」で検索するとみんな焼いたり揚げたりしてますね。匂いも少し気になるので油でガンガンあげましょう。もちろん鰓も食べますよ。

 

 

 

 

身は臭みがなくふわふわで美味しいです。皮は少し硬めですが私は魚のグニョグニョした皮が大好きなのでむしろ歓迎。あとは鰓、魚の鰓って結構固いからビクビクしながら食べたのですが思いのほか柔らかくて安心しまいた。サクサクでなかなかの美味。

 

 


 

200円でこんなに楽しめるのは魚ならではですね。食用輸入魚は日本ではめったにお目にかかれない魚がまじまじと観察できて最高です。次はパンガシウスかジギョがあれば買いたいところですがどちらも高くてでかいので悩みどころ。

 

 

 



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