利用されていない深海魚たちを食べてみる

2018/09/16
 
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今日、日本では市場やスーパーのみならず飲食店でも様々な深海魚と出会うことができる程、深海魚はありふれた存在になっている。

中でもメジャーなキンメダイやスケトウダラ、キチジ(きんき)、少しマイナーなトウジン(げほう)やアオメエソ(めひかり)、ニギス(沖うるめ)、は比較的よく利用される深海魚で、どれもかなりの美味だ。

しかし、これらの深海魚とは真逆にほとんど利用されていない深海魚も多い。そういった魚は海底をネットで引く底引き網漁でよく漁獲され、たとえ大量に漁獲されても破棄されることがほとんどだ。

今回はそんな利用されていない深海魚の味を食べて確かめてみた。

 

 

 ペラペラな鰈「ザラガレイ」

まず初めに紹介するのはザラガレイ。獲れる数はそこまで多くないものの、底引き網で普通に漁獲される魚だ。

ザラガレイはダルマガレイ科に属す中型種で、大きな口と薄い体が特徴。体のうち内蔵やえんがわの占める割合が多く歩留まりは悪い。また、腹部がとても痛み易いので食べるのであれば早めに内臓を抜いておきたい。

刺身

鮮度の良いものは刺身で食べることができる。身は水っぽいもののクセなどはなく、白身魚特有の旨味や風味を感じることができて美味。小骨が結構当たるが、骨が軟らかいためあまり気にならない。

ザラガレイ料理の中ではこの刺身が一番美味しい。

煮付け

煮付けはカレイ類の定番料理だが、ザラガレイとはあまり相性が良くなかった。

理由は身の薄さによる物足りなさと身の水っぽさ。特にこの水っぽさは煮付けとは相性が悪い。

 

真っ黒なサメ

深海漁では度々真っ黒で小さなサメが捕獲される。その正体の多くはカラスザメ科で、彼らもザラガレイ同様、少量ながら普通に漁獲される魚たちだ。

深海漁で漁獲されるカラスザメ科の魚は何種類かいるが(カラスザメ、ヒレタカフジクジラ、ワニグチツノザメなど)、今回はヒレタカフジクジラに注目した。
ヒレタカフジクジラはカラスザメ科の中ではよく漁獲される種で、名前にクジラと付くがれっきとしたサメの仲間だ。

刺身

深海魚特有の水っぽさやクセはあまり感じられないが、旨味もあまり感じられない。良い意味でも悪い意味でも特徴のない魚だ。

中骨は軟骨なので身と同じようにそのまま食べることができる。

 

 

煮付け

元々水っぽい魚ではないが、加熱することによって身が引き締まり(特に腹側)モソモソとした食感になる。モソモソだが、これがなかなか旨い。味がない分、煮付けなどの味付けが濃い料理がこの魚にはマッチする。

胎児

お腹の中にいた胎児もせっかくなのでいただいた。この段階では鰭などはまだ未発達なのでこのまま食べることができる。

味は少し苦みが強い生シラスのような感じでかなり美味しい。

 

透明で美味しいフタスジナメハダカ

最後に紹介するのはフタスジナメハダカという深海魚。この魚は今まで紹介してきた魚と比べて少し珍しく、漁獲されても数匹程度の魚だ。

フタスジナメハダカはヒメ目・ハダカエソ科に属する魚で長い体とクチバシのような顎が特徴。ヒメ目はハダカエソ科以外にも、アオメエソ科やミズウオ科などの深海性のグループをいくつか含む、言わば深海魚の宝庫だ。

はやり刺身

内蔵を取って洗っただけのものだが、これがとても美味しい。そしてこの味どこかで食べた気がする。具体的な名前は出てこないのだが、白身魚のなにかにとても似ているのだ。

そして良いのは味だけではなく、食べ易さも満点。鰭、中骨ごと食べられる手軽さだ。


今回は利用されていない魚たちを食べてみたが、どれも調理法によっては美味しい魚ばかりであった。利用されない理由には大きさや見た目、漁獲量の少なさが関係しているのだろう。

皆さんもこういった魚を見かけた際には、是非手に取って味を確かめていただきたい。

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