オオスジイシモチを食べる

2023/10/23
 
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相模湾で堤防で釣りをしているとオオスジイシモチという小魚がよく釣れる。この魚は口が大きいからすぐ掛かってしまうし、大きな餌や鈎を使っても釣られてくれるので、釣り人からするとなかなかに厄介。そんなんだから、釣られても大抵リリースされてしまうのだけど、よくよく見ると結構うまそうな魚なんだよな。それでもって今回はたまたま数が釣れたのでオオスジイシモチを食べてみました。

 

 

 

 

オオスジイシモチとは

オオスジイシモチはスズキ目テンジクダイ科スジイチモチ属に属する魚である。主に浅海域の岩礁に群れで棲む小型種で、国内では千葉県から沖縄県、島根県などの広範囲に分布する。どちらかというと南方系の魚だが、僕の地元、相模湾以南ではクロホシイシモチに次いでごく普通に見ることができるテンジクダイ科魚類です。

 

 

オオスジイシモチをはじめとするテンジクダイ科の多くには”イシモチ”とか”ダイ(タイが連濁したもの)”と付くけど、イシモチ(ニベ科)とは別のグループだし、タイの仲間(タイ科)でもない。そもそもタイの仲間って少なくて、タイ付く魚のほとんどがタイ科じゃないという。。。ちなみに、テンジクダイ科の魚が”〇〇イシモチ”と呼ばれるのは、ニベ科のイシモチ同様に耳石が発達しているためです。めちゃくちゃ分かりづらい。

 

 

 

 

オオスジイシモチが属するスジイチモチ属はテンジクダイ科の中では結構大きなグループでして、似た色彩の種が多いことから識別はやや難しい。ひとまず、一般的に釣りでよく見られるネンブツダイ、クロホシイシモチ、コスジイシモチが区別できれば十分だと思ってる(沖縄とかいくとめちゃくちゃ種類が多い)

 

 

ネンブツダイたちとの違い

こいつらは尾柄部に円班があることでよく似るが、オオスジイシモチは体側に尾柄部まで及ぶ数本の縦帯があるので、同じく沿岸の釣りでよく見られるクロホシイシモチとネンブツダイとは簡単に区別することができる。ネンブツダイにも縦帯があるが2本のみで、上は体側の中央付近までしか走らないし、下は鰓蓋で止まる。

 

 


オオスジイシモチ

 

 

あと、本種に似た種にはコスジイシモチがいるが、オオスジイシモチは体側の暗色縦帯が4本なのに対して、コスジイシモチは体側の暗色縦帯が7本であることから区別することができる。また、オオスジイシモチは沿岸の浅所に生息するが、コスジイシモチはやや深場に生息する。そのため、堤防釣りでよく見られるのはオオスジイシモチでありコスジイシモチは沖合の釣りや定置網で見かけることが多い気がする。

 

 

オオスジイシモチを釣る

オオスジイシモチはネンブツダイやクロホシイシモチが昼間でもよく釣れるのに対して夜釣りでよく見られる魚だ。日中であっても岩の隙間やテトラを狙えば少量は釣獲することができる。実際、今回料理に使うオオスジイシモチは昼間に港のブロックの隙間にいるものを釣獲したものです。

 

 


オオスジイシモチと同所で釣れた魚たち

 

 

基本的にはなんでも食べるので、オキアミとか安い餌を使えばいいと思う。死んでしまった魚を刻んで餌にするのもいい感じ。あと、オオスジイシモチに関わらずテンジクダイ科の魚は体の割に口が大きい為、針を飲まれないように注意が必要です(持って帰るならあまり気にしなくていいかもだけど)。

 

 

 

 

オオスジイシモチの食べ方

鱗は大きいので刺身にするのであればまずは鱗は落とそう。頭部の耳石が気になる人がいるらしいけど、揚げ物にするのであれば正直そんなに気にならないので、そのままでいいと思ってる。

 

オオスジイシモチの刺身


右のは肝

 

 

さっきまで泳いでたのだから当然刺身にする。捌いてる時から薄々感じてたけど身が結構柔らかい。この柔らかいというのは決してぐずぐず系ではなくふにゃふにゃ系の柔らかさ。それで実際に食べてみても身は柔らかい。脂っぽいものは感じないものの、身の旨味が非常に強くて美味しい。オオスジイシモチ普通に美味しくね?もっと大きくなる魚だったらなぁ。

 

 

オオスジイシモチの唐揚げ


頭と中骨も一緒に揚げた

 

 

身と頭と骨を塩振って揚げたもの。身はやっぱりうまいんだけど、意外なことに頭も結構美味しい。むしろ、唐揚げにしてしまえば頭のほうがメインかもしれない。

 

 


後から知ったのだけど、大阪湾の元漁師さん曰く、テンジクダイは煮付けにして食べるのが定番だったらしい。次は煮付けも試そうと思う。

 

 



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